かめのあきのゲームブログ

好きなタイトルを中心に、レビューや思い出を画像多めで書き綴ります。

「幽☆遊☆白書FINAL 魔界最強列伝」魔族幽助の強さが目を見張る、SFCが誇る傑作的・幽白格ゲー第二弾!

前回、漫画「幽遊白書」の”暗黒武術会編”までを題材とした格闘ゲームを紹介しましたが、

スーファミにはもう一作、”魔界編”にスポットを当てた続編も存在しています。

 

 

今回は、その作品。

幽☆遊☆白書FINAL 魔界最強列伝」についても、ご紹介致しましょう。

 

 

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本作は、単発の当て合いが基本だったシステムの前作とは打って変わって、

格ゲーとして大幅に進化を遂げています。

 

 

通常攻撃をキャンセルして各種”霊撃”へと繋げられるようになり、

コンボを主体としたゲーム性へと変化した事に加えて、各キャラ毎にコマンド入力による”連続攻撃”も実装されています。

 

また、攻撃を喰らって空中に浮かされた側は、→←→(逆も可?)と入力する事で「空中受け身」を取れるようになっていたりと、本格的な作り。

 

 

その他にも、全キャラ共通で前方に素早く二回入力する事でダッシュが可能になり、

お互いにダッシュ中にぶつかるか、攻撃が同時にかち合う事で、拳を激しく打ち合うボタン連打勝負に移行したり、

A・B・X・Yいずれかのボタンを押し続ける事で、霊力ゲージを回復できたりと、

システム面の追加要素が多く、立ち回りの駆け引きが大きく上昇しています。

 

 

私が、初めてこのゲームを遊ぶきっかけとなったのは、

発売当時(具体的にはいつ遊んだかは曖昧ですが)、姉がその友人から一時借りて来ていた事でしたが、

近年になってから、ふとこのソフトの存在を思い出して中古で買い、ゲーム互換機の「レトロフリーク」等で遊び直した際に、本作の完成度と奥深さに改めて驚嘆したものです。

 

 

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モード数自体も、前作に引き続いて「ストーリーモード」や「武術会モード」等が搭載されている事に加えて、

新たに「トーナメントモード」と、四人チーム形式で戦う「チーム対戦モード」が追加され、

対人戦における遊びの幅が広がりました。(勿論、CPUを相手にして遊ぶ事もできます。)

 

操作キャラには、メイン四人と魔界三強の他、

魔族幽助・妖狐蔵馬・仙水・気鋼闘衣仙水、時雨・修羅、そして劇場版出身の隠しキャラ一体と、前作と同じく全14キャラクターが参加しており、申し分ない人選。

 

 

前作と違って、子供時代に友人同士で対戦したような出来事はなく、

兄や姉と多少一緒に遊んだ記憶しかないのが悔やまれますが、もし我が家のソフトとして昔から今まで存在していたならば、必ずやお気に入りの一作となっていた事でしょう。

 

 

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前作では、原作の主人公「浦飯幽助」の物語に沿って展開されたストーリーモードでしたが、

今回は、メインキャラ四人のうちから一人を主役に据えてプレイする方式となっています。

 

物語は、人間界と魔界とを繋ぐ”界境トンネル”を開けようとしている人物である「仙水」を追い詰めているところから開始し、

まずは、仙水との二連戦を繰り広げる事になります。

 

 

・・・しかし、原作で唯一魔界に行かない「桑原」を主役に選んだ場合、

物語は早くもそこで終わってしまうんですよね。

 

原作に忠実な作りとは言え、子供の頃はそれがなんだか面白く、

一発ギャグのような感じで印象に強かった事を覚えています。

 

 

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桑原以外の三名を選んでいる場合は、仙水撃破後は”魔界編”へと突入し、

それぞれ因縁の相手と一戦交えた後、魔界統一トーナメント(という名の三連戦)へと挑む流れとなります。

 

蔵馬と飛影のモードは、正直プレイした記憶がないのであまり詳しい事は書けませんが、

幽助が戦う事になる、自らの真の父親「雷禅」と、通常最後の相手となる「黄泉」は、

戦闘BGMも相まって威圧感抜群で、戦っていて非常に滾ります。

 

(原作を尊重して、魔界三強の性能の強さが雷禅>軀>>黄泉になっていた(と思う)のも良いところ。)

 

 

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・・・なのですが、そんな魔界トーナメントも、

全三回戦を行ったところで唐突に話は終了し、エンディングへと移行してしまいます。

 

これは、原作からしてそうなので、どうにもならないと言えばそうなのですが、

幽助と少女幻海を除く全12キャラを相手に勝ち抜く前作のストーリーモードと比べると、今回はその丁度半分ほどのボリュームで終わってしまう為、なんとも物足りません。

 

 

正直なところ、本作のストーリーモードは、前作のような”メイン感”はなく、あくまで数あるモードのうちの一つ。

 

もっと言えば、”桑原だけすぐに終わってしまう”という一発ギャグの為に存在していたというのが、私の中での(凄く個人的な)評価です。

 

 

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一応、桑原以外で一度も負けずに全六戦を勝ち抜くと、

最後に劇場版のキャラクター「耶雲」が登場するというサプライズ要素が存在します。

 

かなり見た目に分かりやすい、ハイスタンダードな性能のキャラクターで、

近年に初めて戦った際には、幽助ではかなり苦戦した事を覚えています。

 

(また、タイトル画面でY×7・X×6・A×5ナムコ)と入力する事で、ストーリー以外のモードで使用可能になります。)

 

 

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そんな感じで、前作では非常に完成度の高かったストーリーモードですが、今回はいまひとつ。

そして、友人達と対戦して盛り上がったような思い出があるわけでもない本作。

 

では、私の中で、このゲームの一体何が強烈な思い出として残り続けているかと言うと・・・

 

魔族幽助の圧倒的な強さ。

この一点に尽きます。

 

 

原作では、仙水との戦いの際に、幽助の身体に雷禅が憑依(?)する事で、その姿を現しました。

それまで苦戦していた仙水を、一瞬にして叩きのめしてしまったほどの強さを見せた事が印象に深いですが、本作においても、その強さが忠実に再現されています。

 

全体的に幽助を上回るスペックを誇っていますが、

なんと言っても、霊丸の強さがケタ違い。

 

弱入力で打つ霊丸は、霊力ゲージがほとんど減らずに連射が可能であるにも関わらず、通常幽助のそれよりも威力も当たり判定も上回っており、それでいて空中でも使用可能。

その為、最高難易度のCPU相手でも、弱霊丸連打だけで完封できてしまいます。

 

 

勿論、接近戦でも滅法強く、火力も高いので、一方的に相手をフルボッコする爽快感を味わえます。

 

見た目の印象も強烈ですし、”魔界編”に焦点を当てた格闘ゲームとして、この”魔族幽助を操作キャラにチョイスしてきた”というのが、このゲームにおける最も大きな評価点だと思うのですよ。

 

前作で強かった幽助(普通ver)と桑原は、今回は非常に微妙な性能に落とされていた事もあって、

この魔族幽助が誇る圧倒的な強さと爽快感が、余計に引き立っていましたね。

 

 

なので、私の中での本作は、

魔族幽助を使って無双するゲームという事で認知されており、

それだけで名作扱いと言っても良い存在となっているのです。

 

(近年プレイし直した際も、同じ遊び方をしていました。)

 

 

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また、ネット上でこのゲームの攻略情報などを見て、初めて知った事なのですが、

”マッチ勝利がかかった状態で、気絶中の相手に超霊撃を当てて勝つと、専用の勝利演出が見られる”という、「フィニッシュアニメ」なる要素が存在するようです。

 

あまりに限定的で、知っていてかつ狙わないと見られないような条件なので、

私は一度も見た記憶がありませんが、ちゃんと全キャラに専用のグラフィックによるカットインが用意されているようです。

 

 

いやはや、これは凄い。

このゲームに、私が知らないこんな手の込んだファンサービスがあったんだなという、それ自体が嬉しく思ったりしましたね。

 

(また、幽助・蔵馬・仙水は一定の状況下で専用のコマンドを入力する事で、それぞれ魔族状態・妖狐状態・気鋼闘衣状態に一定時間変化(キャラチェンジ)する裏技があったり、

飛影は炎殺黒龍波の双龍(ツインバージョン)、または自分に当ててパワーアップする”隠し超霊撃”の要素も仕込まれていた模様です。まったく知らなかったよ・・・!!!)

 

 

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以上の事から、ストーリーモードは前作と比べて物足りないながらも、

本作はキャラクター物の格闘ゲームとしても、幽遊白書の2D格闘ゲームとしても、はたまたSFC用の一つの対戦ゲームとして見ても、

最善を尽くして、格ゲーとしての面白さをこれでもかと詰め込まれた一本となっています。

 

 

ただ一点、作品自体の根本的な欠点を挙げると、(最初に述べようかとも思った事ですが)

前作と比べて容量の少ないROMでの制作を余儀なくされたらしく、音楽面でのクオリティは明らかに聞き劣りする事。

 

前作では、豊富かつ歯切れの良かった打撃音がパワーダウンしている事に加えて、

BGMも、音の数というか音源自体が貧弱な感じで、曲として成立させるのにかなりの工夫が施されているように感じます。

(具体的には、低音パートをメロディーラインにしていたり、迫力を出す為に「ジャン!」という音色が多用されています。

付け加えると、曲のクオリティ自体は仙水戦雷禅戦などを始めとして耳に残るものが多くて申し分ありませんし、特に黄泉戦修羅戦のイントロは鳥肌が立つくらい好きです。)

 

 

ですが、それを補って余りあるくらいに、ゲーム性自体に大幅なテコ入れや追加がなされていて、

格闘ゲームとしての面白さとやり応えは、圧倒的にこちらの方が上です。

 

私は、魔族幽助を使用して「武術会モード」で無双する遊び方を主として本作を遊んでいましたが、

普通に、競技用ゲームとしても通用するポテンシャルを秘めていた作品なのではないでしょうか。

 

(純粋にキャラ格ゲーとして見たら「2」、やり応えのあるゲームを求めるなら「FINAL」という立ち位置ですかね。

キャラバランスは、突き詰めると両方ともかなり偏りがありそうなのは、まぁ原作再現によるご愛嬌でしょう。)

 

 

 

私の中では、どちらも異なる経緯と思い出によって印象に残り続けている作品ですが、

どちらも「幽遊白書」を題材とした格闘ゲームとして十二分にクオリティが高く、

今の時代でも、充分にプレイに耐え得る面白さと魅力を持った作品であると思います。