「パワプロクンポケット」部員を集めて極亜久高校野球部を再建し、甲子園を目指せ!
「パワポケ3」の前日潭にして、パワポケシリーズの記念すべき初代作品。
私は「2」と「3」を先にプレイした身ですが、ふとこの作品にもプレイする機会が訪れました。
それは、私にパワポケを教えてくれたT君の影響で、同じくパワポケにハマる身となった友達のS君が、ブックオフを駆け回って中古を手に入れた事でした。
「ポケ1買ったよ。面白いよ。」
即効で彼の家に遊びに行き、一緒にプレイしたり、彼がある程度遊んで満足した後は、勿論貸してもらって一人みっちりとプレイしました。(借りてばっかり)
この「パワポケ1」には、2から実装された「おまけサクセス」はまだ存在せず、メニュー画面でミニゲームだけを遊ぶ事もできないという、非常にシンプルな作りでした。
初プレイなのに、なんだか懐かしさを感じさせるメニュー画面の音楽と、サクセス開始時のオープニングの音楽に、当時は心惹かれた事を覚えています。
素行不良な生徒が多く、部活もまともにやっている所の方が少ない「極亜久高校」。
そこへ転校してきた主人公は、クラスメイトの「亀田君」が引き止めようとするも、熱意を持って野球部に入部します。
噂の通り、部室を遊び場にし、誰一人真面目に練習をしない野球部。
それでも主人公は、この野球部で甲子園に出場し、いずれはプロになるという夢を諦めません。
しかし、入部して一か月後に行われた「パワフル高校」との試合で惨敗した極亜久野球部は、近くのボロビルでの反省ミーティング中、先輩達が暴れて倒壊事故を起こし、
唯一良心的な先輩である「外藤」と、主人公の二人だけを残して
壊滅してしまいます。
事故の後、教頭先生から「来年度までに部員を9人集められなければ廃部」と宣告され、
「ここらが引き際や」と外藤も離脱してしまい、野球部は主人公ただ一人に。
すぐにクラスメイトの亀田君を野球部に誘うも、残りは7人。
時期的に、どの部活にも所属していない生徒はもう少ないという事で、他の部活から選手を引き入れる事を狙って、部員集めを開始するのでした。
「2」と「3」では、チームメイトに関わる一連のミニゲームは二年目にプレイする機会がありましたが、「パワポケ1」では一年目から早々に行っていく事になります。
陸上部では、ストップウォッチを決められた範囲内で止めるゲーム、
サッカー部では、部員達を掻い潜ってゴールシュートを目指すゲーム、
カラテ部では、主将の「村上君」の攻撃を一分間避け続けるゲーム、
音楽室では、楽譜に合わせて曲を演奏するゲーム等をプレイする事になりますが、
これらのミニゲーム群がなかなかに面白く、周回プレイが苦になりませんでした。
ただ、ボールとサイコロの入れられた紙コップのシャッフルを延々と目で追った挙句、
「今は何月何週?」
「紙コップは何回動いた?」
と出題される事もある、テニス部のミニゲームだけは、ちょっとイラッとしたけどね(笑)
でも、このミニゲームをクリアして「三鷹君」を仲間にするには、
他のメンツと違って二回のうろつきが必要なので、サクセスに慣れた後は、彼を仲間にせずに進める人が多かったのではないでしょうか。
その後、投手の平山君や、顔がそっくりな荒井三兄弟達などが加入し、部員を集める事に成功した主人公は、教頭先生から「顧問がいないからダメ」と理不尽を言われるも、
担任のようこ先生が顧問に名乗りを上げてくれて、晴れて野球部の存続が決定。
(それと同時に、外藤もしれっと戻って来てくれました。)
新学期になると、かわいい後輩の「石田ユキ」ちゃんがマネージャーに。
こうして、主人公達による新生極亜久野球部が誕生。
「年内に公式試合で一勝できなければ廃部」という、教頭先生からの次なる課題。
それを乗り越えた後は、甲子園優勝を目指して奮闘していくのでした。
さて、ここからがパワポケ1を語る上での本題というか、最も特徴的な部分。
このゲーム、とんでもなく超打高です。
パワーがC以上ある選手で、強振にしてカーソルのギリギリ上をかするように打てば、
ほとんどホームランになります。
バッティングが難しい「パワポケ2」を先に経験していた私としては、
「なんだよこれ、簡単にめっちゃ球飛ぶじゃん!!」というのが、
この作品に対する最も強烈な印象となりました。
初期からそれを満たしている外藤、村上、水原(ミニゲームの成績で上下しますが)あたりならば、最初の段階からホームランを狙っていけますし、
選手全員の能力が上がっているサクセス終盤ならば、下位打線まで万遍なく長距離バッターに化ける有り様。
その事から、ある程度慣れたら本作で試合に苦労する事はまず無く、甲子園決勝ですら
二桁得点でボロ勝ちする事が出来るのです。
元々はニンテンドー64「パワプロ5」の外伝という立ち位置で開発されたという事で、
試合開始時にお互いのチームの総合力が表示される演出も、ひときわ目を引きます。
他にも、猪狩兄弟・松倉などの本家シリーズのライバルが登場している事や、
初期能力が高めでパワーBなどから始まる事も多く、強い選手が作りやすい事、
極亜久野球部伝統の「妨害コマンド」なるものが二年目以降に使用可能になったりと、
「本家パワプロの派生作品」という雰囲気が強く醸し出されている作風でもあります。
もっとも、後に敵となる「プロペラ団」が裏では暗躍していたり、
彼女候補の何人かは病気や事故、もしくは銃殺で亡くなる可能性があったりと、
このシリーズ特有の”黒さ”が一応はあるものの、あくまで
THE・初代という実直さやシンプルさが先に立っており、
敷居が低く、誰でも気軽に楽しめるのが、この「パワポケ1」の魅力でしょう。
後にギャルゲーだとかラノベだとか言われる事も多くなっていったパワポケシリーズですが、
この初代が出た頃は、誰もパワポケがそんな方向に進化していくだなんて、思ってもいなかったんだろうなぁ。(遠い目)