かめのあきのゲームブログ

好きなタイトルを中心に、レビューや思い出を画像多めで書き綴ります。

「がんばれゴエモン 〜ゆき姫救出絵巻〜」義賊ゴエモンが悪を討つ!旅情と人情溢れる、熱き名作アクション!!

ゲーム好きの方の多くには、自分をゲームの世界へと誘うきっかけとなった「最初の一本」にして、いつまでも心の中心にあり続けているような、

 

”自分だけの特別な作品”と呼べる一作があるものではないでしょうか。

 

 

今回は、私にとってのそんな”特別な作品”に位置し、アクションゲーム好きにさせる要因となりながら、今もなお、心の奥底に火を灯し続けているゲームを紹介します。

 

それが、このがんばれゴエモン 〜ゆき姫救出絵巻〜」です。

 

 

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1991年に発売された、SFC版がんばれゴエモンシリーズ」における、第一作目

 

SFC初期の作品なので容量も少なく、まだメインキャラクター達の顔ぶれや、

シリーズとしての方向性も定まっていない頃の作品で、

一般的には「シリーズの中でも特に難易度が高い」事で知られています。

 

 

ですが私は、小学校に上がる以前からこのゲームに魅了され、今に至るまで幾度となくプレイしてきました。

 

少ない容量の中に、ゲームとしての楽しさ心躍る音楽の数々、

そして制作者の方々の情熱が、これでもかと込められた作品だったからです。

 

 

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物語は、ゴエモンの相棒である「エビス丸」が、近所の”ほろほろ寺”に現れた女幽霊が人に危害を加えた事を告げ、倒しに行く所から始まります。

 

「にんげん様を、イタイ目にあわせるたぁ ふてえやろうだ!!」

 

この時代劇チックな始まり方の時点で、

すでに私の心は鷲掴みにされていたのかもしれません。

 

 

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ゲームの舞台は「町エリア」「拠点エリア」に大別され、まず斜め上から見た視点の町エリアを探索しながら進み、

各ステージの拠点となる場所に辿り着くと、横スクロールアクション形式となり、最奥に待ち受けるボスの撃破を目指す流れとなります。

 

例外としてステージ3のみ拠点エリアが存在しませんが、

基本的には最後まで、町エリアと拠点エリアを交互にこなす事で進行して行きます。

 

 

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物語当初の敵である”すてえじ一”のボス、女幽霊と対峙。

 

こちらに目掛けて放ってくるお皿を打ち返し、相手にぶつけるという、

最初のボスにしてはテクニカルな戦法が求められますが、易々と撃破。

 

 

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すると、化けていた忍者猫のクロベエが姿を現し、女幽霊の姿となって人に勝負を挑み、腕の立つ人を探していた事、

なにやら江戸の一大事である事を告げ、ゴエモン達は四国へと向かう事になります。

 

 

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”すてえじ二”に進み、同様に拠点エリアのボスを倒すと、捕まっていた「こばんネコ」から事の詳細を聞かされます。

 

それによると、お江戸の殿様の一人娘である「ゆき姫」が、突然何者かの手によってさらわれてしまったとの事。

 

こうして、大江戸の義賊ゴエモンの、ゆき姫奪還を目的とした旅が始まり、

淡路から大和伊賀山城、そして出雲などへと赴き、

おたふく隊やからくり忍者、獰猛な猿や天狗、はんにゃの仮面を被った軍団など、

様々な敵達との戦いを繰り広げて行く事になります。

 

 

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さて、この作品において、一体なにがそれほどまでに私の心を魅了したのかと言うと、

そのほぼ全ては終盤の展開に集約されます。

 

物語も終わりに差し掛かり、ゆき姫は琉球の城に捕らわれている事を突き止めたゴエモン達は、琉球王の助言により、城の周りを飾るシーサー像の一つを叩き壊し、

現れた秘密の入り口を通って、はんにゃ一族が改造した琉球城内へと突入します。

 

 

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最終局面へと突入。いざ、ゆき姫を救出に向かうのだといった、この場面にて流れる、

最終ステージ感溢れる威厳と熱血感に満ちた音楽。

 

 

これまで、たびたび町エリアにおいて旅情を感じさせてきた雰囲気であったのが、

ここに来てガラッと一変。一気にシリアスな空気感へと切り替わります。

 

まずここがたまらない。何度やっても痺れます。

 

 

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そしてここ”すてえじ八”の拠点エリア自体も、一貫してシビアな難易度で構成されている本作においても、特に容赦の無い難易度。

 

少しの操作ミスが落下死へと繋がる、これぞ難関と呼ぶべきシーンが続きます。

 

 

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難関をくぐり抜け、ついに「ゆき姫」と対面。

 

ステージボスの「やじろべえ達磨」を倒し、長旅の果て、ゆき姫救出が為されます。

 

 

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「なんだか最後の敵はあっけなかったな?」と思いつつも、

これにて一件落着。

 

殿様は娘の無事を喜び、娘であるゆき姫も、嬉しそうに殿様の元へと駆け寄り、

めでたくおしまい。ハッピーエンド。

 

 

と、思いきや・・・

 

 

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「な、なにいぃーーーっっ!!???」

 

 

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無残にも地下牢獄へと落とされる、ゴエモンとエビス丸。

 

 

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そして始まる、真の最終ステージ。

 

それと同時にタイトル回収。熱い。

 

 

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最後に来て、義賊らしくお縄を頂戴されてしまったゴエモン

 

しかし直後に、”すてえじ四”にて一度窮地を救った事のある、女忍者の「ヤエ」

お返しにとばかりに現れて、牢屋の施錠を壊してくれます。

 

 

広い地下牢の中には、どこかに本物の殿様も捕まっているらしい。

すぐさま探しに向かうゴエモン

 

 

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他の牢獄とは少し隔離された所に位置する場所に、本物の殿様は居ました。

 

はんにゃ一族によって、征服された大江戸。

「このままでは このよはおわりじゃ。たすけてくれい!」

 

ゴエモン達の捕まっていた牢屋の辺りは土が柔らかく、そこから壁を壊して外に出られるだろうとの事。

 

再び自分達の元居た牢屋へと戻り、外へと繋がる場所を発見します。

 

 

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そうして突入する、正真正銘の最終ステージ。

 

それと同時に流れる、一体どうやってこんな音出してんだと思うような、

究極にカッコイイ、尚かつ和風チック神曲

 

これぞ神曲神曲とはこの事を言うのだ、としか言い様のないほどの神曲

全身鳥肌が立つほどの神曲

 

 

このゲーム、全体を通して非常に高いクオリティを誇る音楽群なのですが、

ここに来て更にそれまでの一段階上を行く、最強にカッコイイ音楽が後押しする中、

今度こそゆき姫を救出し、そして世の中を救わんと、最後の戦いへと向かいます。

 

 

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そして直後の、このシーン。

地面がトゲ地帯になっているので、必然的に屋根の上を渡っていく事になる。

 

これはつまり、

「大泥棒であるゴエモンが、

牢屋を脱出して、屋根伝いに逃げていく画」を、

プレイヤーの手によって再現させているのである。

 

そして、ここまで様々な敵と戦ってきたゴエモンの前に、

最後の最後になって立ち塞がるのは、

最初のステージから登場していた、顔なじみの役人達。

 

 

アクションゲームという媒体において、最終ステージにて

これほどまでに王道を演出した作品があっただろうか。いや、無い。

 

 

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最奥へと辿り着き、色違いで現れる”すてえじ二””すてえじ四”のボスを再度倒した後、

迎える「はんにゃ大将軍」との最終決戦。

 

まずは、ヤツのまたがる”唐獅子”を撃破する必要があるのだが、その際

最初のステージの女幽霊戦以来となる、相手の武器を打ち返して攻撃する戦法が、

ここに来て再度お披露目される事になる。

 

最初のボスを倒した戦法を使って、

最後のボスに挑む事になるのである。

 

 

アクションゲームという媒体において、ラスボス戦にて

これほどまでに王道を演出した作品があっただろうか。いや、無い。

 

 

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倒した”唐獅子”は、何故かキツネの姿となって、後ろに逃亡。

 

残った「はんにゃ大将軍」は、身体を丸めて最後の攻勢に出るも、

ここまでやって来たゴエモンの敵では無かった。

 

 

倒した瞬間、その巨体は真っ二つに割れ、中からはんにゃの仮面を付けた普通の人間が現れ、後ろへと吹っ飛んでゆく。

 

 

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全ての事件は、元々は普通のおやじであった男が、何の因果か妖術使いのキツネ「ゴンタ」と出会い、魔が差してしまった事から始まったらしい。

 

「ゆき姫とお友達になれるって言うから、力を貸してやった」というゴンタのセリフ通り、最初はゆき姫をちょっとだけ連れ出して、殿様を困らせてやろうといった感じの、軽い戯れだったのかもしれない。

 

それが、ゴンタの妖術、とりわけ催眠や操りといった類の力があまりに強力だった為に、彼の欲が「世界征服」へと膨らみ、今回の一大騒動を起こしてしまったのだろう。

 

 

あまり多くは語られませんが、私はそのように解釈しています。

 

 

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成敗!!!

 

 

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ゆき姫、ここに救出!!!

 

 

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そして即座にエンディング。これがまた良い。

 

非常にさっぱりとした終わり方でありながらも、

雄大で情緒溢れるスタッフロールの音楽だけで、並々ならぬ感慨に浸れます。

 

 

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アクションゲームとしては、もっとやり応えがあったり、ボリュームがあって出来栄えの良い作品は、他にもいくらでもあると思います。

 

しかし、このゲームは、アクションとして最も難しいのは最終面の一つ手前で、

最終面に関しては丸ごと「熱さ」の演出に当てていて、それを堪能させる作りに徹しているというのが、数あるアクションゲームとの決定的な差異であると思っています。

 

そして、王道の強さ、王道とはなんぞやという事を、私に知らしめた作品でもあり、

他にも「音楽が心に及ぼす力は大きい」「王道とは安易なものではなく、万人が心を震わす事ができるものである」等、私の様々な感性の礎となった作品でもあります。

 

 

そう、これは「ゲーム」、たかが「ゲーム」ではあるけれども、

一つの「作品」と呼ぶに相応しい一品であると、私は思います。

 

 

他に、ゲームとして細かな優れた点を述べると、SFC当初の目玉要素であった「拡大縮小」の機能が随所に使われており、シンプルながら見た目にも派手に思える技法が施されている事。

 

また、4、5、6面と難しいステージが続く中、7面は比較的簡単になっていたり、

一部の町エリアには隠し通路があって、小判を稼ぐ他に近道の役目も兼ねていたりと、

何度周回しても飽きないように、緻密に計算され尽くした「優れたバランス感覚」も、この作品を代表する良さの一つだと思っています。

 

 

欠点としては、初期版にはラスボス戦で表示がバグる不具合があった事、

一部ストーリー進行に必要なアイテムや、救済措置であるはずの術の会得が高額で、必要以上に敷居が高い印象を与えがちであるといった点が挙げられますが、非常に些細な事だと思います。

 

それを補って余りあるほどのゲーム体験を、この作品は私に及ぼしてくれました。

 

 

 

その後、Wii、WiiU、New3DSの全てでバーチャルコンソール化され、ミニスーファミにも収録された事からも、本作の高い完成度と人気が伺えると思います。

 

 

これぞまさに、老若男女全ての方にオススメしたい、珠玉の一本。

難易度は高めですが、未プレイの方で遊べる環境のある方には、

是非とも挑戦してみて頂きたいと思います。

 

当時の技術と情熱を結集して、魂込めて作られた名作というのは、

どれだけの月日が流れても、決して色褪せないものですよ。