かめのあきのゲームブログ

好きなタイトルを中心に、レビューや思い出を画像多めで書き綴ります。

「パワプロクンポケット7」戦隊ヒーロー達との対決BGMと彼女キャラの魅力は一級品だが、それ以外に問題点が多い作品

ネット上では、「ハズレがないシリーズ」とも称されている”パワポケシリーズ”ですが、

客観的事実として、一定の品質に達していなかった作品が存在します。

 

 

それが、今回紹介するパワプロクンポケット7」です。

 

(※前回の「1・2」以上に問題点の多かった作品なので、批判的な文章が主である記事となっています。

それでも読んでくださる方、この作品のファンの方は、あらかじめご了承ください。)

 

 

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同年に「パワポケ1・2」というリメイク作品が出されつつも、

前作パワポケ6」からのサイクルを崩す事なく、2004年末に発売が決定した本作。

 

6の時と同様、発売前には表サクセスの導入部分の映像が公式サイトにて公開され、

一応、それを見ながら発売を待ってはいたのですが、6の発売前ほどにはワクワクを感じていなかった事を覚えています。

 

私が当時、中学三年生で、受験を控えていたというのも多少は影響していたかもしれませんが、

単純に、私が今回のサクセスで前面に押し出されている”戦隊ヒーロー”という要素に昔から興味がなく、それほど心魅かれなかった事が大きな理由です。

 

 

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それでも、当時の私の中で巨大な存在であったパワポケシリーズの新作として、

発売日には学校が終わったら猛ダッシュで帰って、早速プレイを開始しました。

 

すると、タイトル画面の後、

華やかにリニューアルされたメニュー画面と、明るく心躍るBGMが出迎えてくれました。

 

 

・・・しかし、正直なところ、

私にとっての「パワポケ7」の思い出は、ここがピークだったと言って差し支えありません。

 

 

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今回の表サクセス「謎の転校生 甲子園ヒーロー編」、今までとは随分と様相が異なっています。

 

まず、チームメイトの個性付けが、

怒ると「スーパーサ〇ヤ人」のように豹変する「森盛(もりもり)」や、

異常なまでに”普通”にこだわる「野丸(のまる)」など、

なんだか”キャラ芸人”的な感じになっていて、薄っぺらくなった事。

 

それでいて、彼らのイベントは、やる気メーターを”2ずつ”下げてくる結となるものが大半で、

とても味方とは思えません。

(唯一の良心は、ラーメンの食べ歩きが趣味で、一緒に行こうと誘ってくれる「白石」くんのみ。)

 

 

それと合わせて、定期イベントにおいても、やたらとやる気が下がる機会が多く、

普通に進めていると、やる気メーターは必ず”絶不調”まで下がってしまいます。

 

 

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やる気メーターを高く維持しながら育成していく為には、

彼女キャラ達の攻略を進めていく事が必須なバランスとなっています。

 

それはつまり、ここに至って初めて、

パワポケが明確にギャルゲー化した事を意味したのです。

 

ただ、彼女候補となるキャラクター達は、

後ろ暗いイベントや後味の悪い結末が一切なく、キャラデザや性格も含めて人気が高い「春香」

何かにつけて主人公に空き缶を投げつけてくるという、強烈な個性付けがされつつも、一連のイベントには非常に力が入っている「梨子」などを筆頭に、

攻略後しばらくは、そのキャラが好きになってしまうくらいに、その魅力は一級品です。

 

(ただ一人、主人公よりも、その母親との絡みの方が多いが為に、

影が薄いキャラクターが存在しますが、全体のバランス感を考えた上での事と考えれば納得できます。)

 

 

しかし、この「チームメイト達の個性付けが”キャラ芸人”的で、ランダムイベントでやる気をガンガン下げてくる」為、

「やる気メーターを高く維持するには、彼女キャラ達との交流が必須」というバランスは、

その後「9」まで続く事となり、ハッキリ言って、私が好みとする作風からはズレてしまいました。

 

 

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また、パワポケポイントで”かのじょ”を買って開始する事で、彼女候補を増やせる要素も初登場。

これも、奇しくも「9」まで搭載された要素です。

 

本作における、パワポケポイントで登場させられる彼女キャラ「真央」は、シナリオの本筋と密接に関わるキャラクターである事も含めて人気が高く、

私も攻略後は、しばらく好きなキャラクターの一人となっていました。

 

 

しかし、彼女の真のエンディングを迎える為には、

特定のイベントにて”ランダム”で分岐する「さあ、練習、練習!!」というセリフを見た後、

全てに決着が付くルートを突破しないとならず、私にとって悲劇をもたらしました。

(詳しくは後述致します。)

 

 

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そして何より、本作の最も大きな問題点として、

野球部分の崩壊が挙げられます。

 

完成度の高かった「6」のものから一転して、

・打球速度が異常に速く、ほぼ全てフェンスまで転がる

・選手の送球速度も異常に速く、上記と合わせて”外野ゴロ”が頻発する

・ランナーが塁に到達する度に停止し、再度Lボタンを押さないと進塁しない(CPUはスムーズに走る)

・打球を追うカメラワークが不自然で、守備がしにくい

・効果音が爽快感の薄いものに一新されている

 

・・・などなど、他にも数えきれない程に改悪されたものとなっています。

 

 

そもそも、守備の際に、選手を打球の落下地点に合わせても、

守備態勢を取ったり取らなかったりするのを見るに、明らかに未完成品だと思います。

 

これならば、普通に6のものを使いまわせば良かったと思うのですが、

一体何故、わざわざここまで改悪したのでしょうか。それが不可解でなりません。

(また、サクセス中での試合シチュエーション自体も、

”ランナーが出ている状態で、相手の攻撃から始まるパターン”のものがいくつもあり、より理不尽さを感じさせます。)

 

 

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シリーズお決まりの、4つのミニゲームも、正直アレな出来。

 

車を操作して風船を割っていく「くるまでパァーン」と、

身体が膨れた主人公をゴールまで操作する「ふわふわすかいドーン!」は、

どちらも操作性によって難易度を上げているタイプのもので、まるで”電撃イライラ棒かのようなプレイ感覚。

 

そして、9個のパネルから5番目に大きい数字を選んでいく「わくわく数ジ~ン」は、

「4」に登場した「ときめき算数ざんす」の画面(素材)を流用して、ルールを変えただけのものとなっています。

 

 

前作「6」のミニゲームは、見た目は下品でも面白さはしっかりとしていましたが、

今回の上記3つは、「狙ってつまらなくしたのか?」と思わざるを得ません。

(ただし、残る一つのミニゲーム「くる来るクルくるぅ~」だけは例外で、これについても後述致します。)

 

 

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そんな感じで、私には合わない要素や、贔屓目に見ても問題のある部分が散見され、

「6」までとは違って、それほど熱のこもらないプレイを続けていたのです・・・が。

 

野球部を牛耳る戦隊ヒーロー達を追い出すべく、彼らと特別試合をする展開

初めて辿り着いた時には、その熱い試合曲も相まって、

それまではずしていたイヤホンを、

急いで装着して耳に突っ込んでから試合に臨みました。

 

この時のシチュエーションと、試合BGMだけは、

本作における突出した評価点です。それは間違いありません。

 

 

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その勝負に勝った後、正直言ってストレスフルかつ、単なる通過点のような甲子園戦を勝ち抜き、

見事甲子園優勝を果たすと、消滅したハズのヒーロー達が復活。

 

主人公達は、絶体絶命のピンチを迎えます。

 

 

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そこへ、本作のキーパーソンとして登場していた黒野博士」が、

対抗する手段として「ガンダーロボ」を持ってきてくれ、

最後の戦いを繰り広げる事になります。

 

 

この流れ自体は良いんですよ。えぇ。

凄く良いんです。これぞパワポケって感じで。

 

問題なのは、その”勝負の仕方”です。

 

 

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パワポケ6の「しあわせ島編」ラストバトル同様、専用のミニゲームによって行われるのですが、

「校舎に立てこもって攻撃や回復を行うヒーロー達を、校舎を壊さないように射撃して倒す」という、これもまさしく”電撃イライラ棒のようなプレイ感覚。

 

ハッキリ言って意地が悪く、爽快感の欠片もない最終対決ミニゲームで、

一体どのようにプレイするのが正しい攻略方法だったのか、いまだにわかっていません。

 

 

私は当時、リセットを上限数まで使って「真央」の真エンド到達フラグを立てた状態でこの対決に挑み、負けてしまって以降、二度とこのサクセスをプレイする事はありませんでした。

(幸い、パワポケポイントでも持ち込めるアイテムの「攻略本」があれば難易度を下げられるのが救いですが、

それ無しでクリアした記憶は、一回たりともありません。)

 

 

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そして、当時の私が更にゲンナリしたのが、↑の画像の「佐和田監督」のアルバム内容。

 

何も得ぬまま歳だけをとり、人生に終わりが見えていた彼は、

ヒーロー達が現れてからは、自らが”日本一の名監督”になるという名誉欲のもと、他の部員達をないがしろにし、

そのヒーロー達が消滅して以降の甲子園戦では、やる気を失くして采配もまともにとらなくなった・・・という、”残念な教師”(人間)の見本とでも言うようなキャラクターで、

 

主人公達が甲子園優勝を果たしても、彼自身はちっとも満たされず、

「俺の人生は いったいなんだったんだろうなぁ・・・・」と絶望する・・・という、

まったく救いのない、悲哀に満ちた結末のものとなっています。

 

 

・・・いや、知らんがな、そんな話。

 

そんな、変にリアルでつまらない人生模様と心情描写なんて、私は見たくもありませんでしたよ。

 

 

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このように、極一部の評価点を除いて、諸々ガタガタな作りであった「パワポケ7」ですが、

ミニゲームの一つである「くる来るクルくるぅ~」だけは、シリーズ歴代の中でも傑作的な面白さを誇る良質パズルゲームとなっており、

一時期は”おまけモード”にて、このミニゲームを極める為だけにプレイしていた記憶があります。

 

 

また、上で述べた通り、完全に崩壊している”異空間野球”も、

・パワーAの選手に限っては、「5」や「6」よりもホームランが出やすい

二塁手・遊撃手のジャンプ力が異様に高く、他作品では有り得ない高さの打球をジャンプキャッチできる

という二点だけで、選手育成が関わらない”対戦モード”で遊ぶ分にはある意味面白く、

当時、超強力な打線を誇っていた巨人を使用して、ひたすらCOM対戦で遊んだりもしていました。

 

このように、本作は私にとって、サクセス以外の部分に楽しみを見出していたという、

後にも先にもない、特異な立ち位置のパワポケ作品となりました。

 

 

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裏サクセス「大正冒険奇譚編」についても、少し説明しておきますと、

「4」や「5」の裏サクセスからレベルの概念を廃止し、”クエスト制”を採用したRPG形式で、

仲間キャラクターの選出や、各イベントのテキスト等もしっかりしており、普通に良作と呼べる出来栄えになっていると思います。

 

(アイテム「回復薬」の回復量が30なのに、主人公の最大HPは28固定で3ポイント無駄になっていたり、

6の「しあわせ島編」からサイコロゲームが続投されていて、強選手の育成だけなら、冒険に出掛けずにそれに没頭していれば良いだけなので、育成バランスは根本から破綻している事、

最終的に4000円以上所持していなければゲームオーバーのハズが、バグで4000円未満でもクリアできる事などの点に、目を瞑ればの話ですが・・・。)

 

当時の攻略本に、アルバム回収を目的とした育成プランが載せられており、

それが非常に優秀で、その通りに進める事でアルバムがすんなりと埋められたのも良かったですね。

(ただし、クリアまでにかかる時間は長大だった事もあって、アルバムを埋めて以降の再プレイはした記憶がありません。)

 

 

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・・・と、全体的に問題点が多い「パワポケ7」について、紹介させて頂きました。

 

正直、”昔好きだったゲームについて熱く語る”という、本ブログの趣旨からは完全に外れた内容ですので、記事にするべきかどうか、非常に悩んだんですよ。

 

しかし、当時毎年の楽しみとして追っていたパワポケシリーズのうちの一つで、全アルバムを埋めるまでにはプレイした(記憶に残っている作品である事)は事実ですし、

シリーズが終了してから10年が経過し、レトロゲームの領域となっている作品群ですから、暴露の意味も兼ねて、こうして記事を書くに至りました。

 

 

これでも、まだ控えめに書いた方でして、本作には細かな”バグ”も非常に多いです。

特に有名なのが、”しあわせ草バグ”と呼ばれるもので、

ある手順を踏むと、育成済みの選手で、表サクセスを何度も繰り返しプレイでき、永久に強くする事ができる・・・というものがあります。

 

当時、上記のバグがあるからと、ゲーム評価サイトの「mk2」にて、

パワポケ6とは違って、選手を好きなだけ強くできるから良い」という旨のレビューがあって、

「おいおい、そういう事じゃないだろ」と、やるせない気持ちになったという出来事もありました。

 

 

おそらくは、「パワポケ1・2」と並行して開発を進めていた事もあってか、

デバッグやテストプレイに全くと言っていいほど時間を割けなかったであろう事は明白で、

今となっては、「仕方がなかったのだろうな・・・」とは思っています。

 

しかし、当時の私は、この作品によって、(厳密には「1・2」も合わせて)

パワポケシリーズに対する”絶対的な信頼感”が崩れてしまって

以降の作品は、どこか惰性の感覚も混じって追って行く事になってしまったのは事実で、その点で、私は本作をあまり擁護する事はできません。

(ヒーロー達との試合直後の、黒野博士のセリフは人気が高いようですが、私にとっては「正直、そこまで・・・」という感じです。)

 

例え、野球部分に一切の問題がなく、デバッグ等がきちんとされていたとしても、

彼女キャラを攻略する事を前提とした育成バランスに転換した事や、チームメイト関連の悪ノリ、

チンピラのような振る舞いをするヒーロー達の存在と、終始圧迫感のあるストーリーなどから、

私の好みとは到底かけ離れた作品だったと言えます。

 

 

これっきり、批判的な文章ばかりになってしまうようなゲームタイトルは取り上げないつもりですので、もし検索によって辿り着いて、この記事を読んでくださった方は、

良ければ、他の記事についても見て頂けると嬉しいです。

 

宜しくお願い致します。