かめのあきのゲームブログ

好きなタイトルを中心に、レビューや思い出を画像多めで書き綴ります。

「パワプロクンポケット6」個人的パワポケ最高傑作!町工場の未来をあるべき形に戻し、裏野球大会制覇を目指せ!!

小さい頃から、様々なゲームをプレイしてきた方々にとって、

ハマっている最中の熱量というか、”瞬間最大風速”が最も高かった作品は、なんでしょうか?

 

今回は、私にとってのそんな作品、

パワプロクンポケット6」をご紹介致しましょう。

 

 

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まず、この作品における、特筆すべき思い出の一つとして、

発売までのワクワク感が尋常ではなかった事が挙げられます。

 

発売の二ヶ月と少し前くらいに、公式ホームページが開設され、

そこに載せられていたゲーム画面の情報に、強く心躍らされました。

 

サクセス中の会話画面が一新され、キャラクターが背景と一緒に表示されるようになった事。

シリーズで唯一の要素となった、平日休日の概念が搭載された事。

 

そして、本作にて初搭載となる、パワポケポイント”の登場。

(プレイ回数を重ねてポイントを溜める事で、隠し要素や、選手の育成に有利になるアイテムを買えるシステムです。)

 

 

これらの情報を、初めて目の当たりにした時の、

「次のパワポケは一味違うぞ!!」という新作感、そしてワクワク感は、

このシリーズの間でのみならず、他のどのゲームでも味わった事がありません。

 

公式サイトに載ったそれらの画像を、印刷して学校に持って行って、

パワポケ6は年内に出るぞ!!」と同級生に話して大はしゃぎしたり、

発売二ヶ月前からは、カウントダウンの為に自作した日めくりカレンダーを、毎日めくりながら発売を待ったものです。

 

そんな事をしながら発売を待ちわびたゲームは、後にも先にも、この「パワポケ6」だけです。

 

 

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今回の主人公は、なんと未来人

 

未来の世界において重大な発明をする事になる、とある町工場を、

時空犯罪者の手による倒産の危機から救うべくやって来る、タイムパトロール隊員なのです。

 

 

サクセス最初の導入部分の映像を、発売間近にて公式ホームページで閲覧できるようになり、

これもまぁ~~~、何度も何度も見ました。

 

それによって、ワクワクと期待感は、もはや上限突破していたわけです。

 

 

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来たる発売日、2003年12月4日。

 

学校が終わって一目散に自宅へと帰り、あらかじめ母に頼んで買ってきておいてもらった本作を、

いつもの”イヤホンを耳にぶっ刺して、布団で一人没頭するスタイル”でプレイ開始。

(新鮮味を高める為、わざわざGBASPまで買っておきました。)

 

経営難に陥っている、人類の歴史において重要な役割を担う事になる「和桐製作所」を救うべく、

借金取りを相手に野球勝負を持ちかけ、借金返済を引き延ばしていく・・・という、

これまでとは様相の異なる熱血ストーリーに、ズッポリと夢中になりました。

 

 

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そして、試合開始の時の、この画面。

 

いやぁ~~~~~、滾る。

ゾクゾクしましたよ。

 

この画面自体の迫力もさる事ながら、

試合が始まるメロディーと、”対”の文字が「くるくる」と回転しながら飛んできて、真ん中に収まって「キュピーーーーン」と鳴る効果音が重なっているという、耳からの刺激も合わせて、

本当に鳥肌モノでした。

 

 

パワポケシリーズにおいて、初試合のシーンというのは毎回楽しみなものですが、

その点に関して、パワポケ6」は特に抜きん出ていたと言えます。

 

 

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か~ら~の~、このスコアボード画面よ。

 

アオリ視点で、ダイナミックに描かれた大地に立った、

普段は温厚な「和桐社長」が「勝て!」という吹き出しと共に、懸命にチームを応援する姿。

 

それと同時に、流れる試合BGM神曲

 

全体的に清涼感の漂う曲調は、どことなく”未来感”を醸し出しながらも、

「絶対に負けられない戦い」「運命をあるべき形に戻す」という、話の状況にも完璧にマッチしており、これらのインパクトから、

「今回のパワポケは一味違うんだ!!」という感覚を、更に強固なものにしました。

 

 

いや、違うな。

一味違う事は、発売前から既にわかっていたので、実際には二味も三味も違っていた事になります。

 

 

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共に戦うチームメイト達の何名かは、うろつきコマンドで「アパート」に行く事で交流でき、イベントをこなしてパワーアップさせる事ができるのですが、

アパートに現れるキャラクターは常にランダムで変わる点も、本サクセスを周回する上で飽きさせない要素の一つとなっています。

 

中でも、並行して経験点や特殊能力、サブポジション等を得られる「青野」「智林」の一連のイベントは有用で、強選手を育成する上では欠かせません。

 

また、イベントが進むと、智林の兄「昭雄」が高確率でチームに加入し、

パワーアップ後は打撃と走塁に優れた強力な助っ人として活躍してくれるので、私の大好きなキャラクターです。

(イベント自体はマイナスなものが多いですが、そのキャラクター性から大目に見られる稀有な存在です。)

 

 

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そして、パワポケ6の表サクセスと言えば、「ほるひす」の存在も欠かせません。

 

この”子供の落書き”のようなキャラクターは、実際に当時子供だったコロコロコミックの読者さんが、読者公募のキャンペーンに送って採用されたものなのです。

 

「なんという悪ふざけを・・・!?」と、普通なら思うところなのでしょうが、

これが不思議にも馴染んでおり、いるのは必然だったとすら思えるようになるのです。

(パワーが初期からC、仲間評価を上げればBになる為、試合でも普通に重宝します。)

 

 

こうした、パワポケスタッフ特有のおふざけが、お祭り感を醸し出す意味でプラスの方向に作用しており、それによって本作の魅力を更に押し上げ、唯一のものにしていると感じます。

(また、シリーズ通して唯一”最初からスタメン全員が固有キャラ”なサクセスでもあり、

パワーアップイベントにはランダムが絡むか、完全にランダム頼りなキャラも数名いる事も、本サクセスを何度プレイしても飽きない理由かつ、大きな魅力です。)

 

 

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夏の期間になると、「商店街」「工場」にうろつく事で、

突如便意を催した主人公を操作して、う〇こを避けつつトイレを目指すミニゲームと、

妙にリアルチックなゴキブリの大群を、スプレーで退治するミニゲームに挑む事ができ、

クリアすると、練習メニューを増やす事ができます。

 

うん、汚いですね。

 

ですが、これらのミニゲームの情報も、発売前から公式ホームページで確認していたので、

汚いという事はよそに、真面目に没頭しながらプレイしていました。

 

ミニゲームとしては、どちらも高クオリティで手抜きはされていませんし、

アクション系のゲームなので、繰り返しプレイしても苦になる事はなかったですからね。

(おそらく、汚いのは「4」「5」の作風が比較的上品だった事からくる、スタッフの”ガス抜き”だったかと思われます。)

 

 

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また、ランダムイベントの効力が大きいものが多く、総数自体も比較的多く感じられるのも特徴で、

中でも、時空犯罪者が仕掛けてくる妨害行動の連続イベントは、初見におけるインパクトが非常に大きいものでした。

 

特に、突然トラックが工場めがけてゆっくりと走ってくるのを目撃するイベントと、

大量の時限爆弾が載せられた車を工場の前で発見するイベントは、

その時の仲間評価や、確率によって選択肢の正解が変わる為、緊迫感があります。

 

前者のイベントを、初見一回目のプレイで経験した時、

”車に乗り込んでブレーキをかける”行動を選んで危機を回避できた時の喜びと興奮は、今でも忘れられません。

(ちなみに、後になって攻略本を買った際に、低確率で失敗する選択肢だった事が判明しました。運が良かったんですね。)

 

 

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さて、そんなこんなで、幾多の野球チームとの試合に打ち勝って借金の返済を引き延ばしつつ、

借金取り「黒松」との人情ドラマ等を経て、見事に経営を立て直した主人公達は、

謎の「裏野球大会」なるものに招待されるという、怒涛の展開へと突入していきます。

 

 

ここからが、このサクセスの本番。

 

負けたらその時点で終了となる、全五試合の大会をどこまで勝ち抜けるかによって、

育成できる選手の強さが大きく左右されるのです。

 

 

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初戦の相手は、老い先短いからと怪しい薬を身体に注射して挑んでくる、「光圀インローズ」

 

初回から大量点を取られるも、時間経過で弱体化して徐々に追い付き、

12-8(こちらが4点負けている)から始まるという状況も含めて、

この裏野球大会が、秘密裏かつヤバい大会である事をわかりやすく表現している、非常にインパクトのある対戦相手です。

 

(なんら苦戦する事のないハズの相手なのですが、私は初回プレイ時はここで負けてしまいました。)

 

 

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次の相手は、パワポケ3」で主人公が所属したチーム「火星オクトパス」

 

3のライバルチーム「ラッキーフラワーズ」と、その社長「木岡」が既に出ていたとはいえ、

まさか主人公チームまで敵として出てくるとは、なんというサプライズ・・・!!!

 

当時、二回目のプレイでここまで辿り着いた時、

素で「うおぉっ!」と声が出た事は、今でも覚えています。

 

 

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三回戦にて待ち受けるのは、本作の最初の壁となる「ブラッドバタフライ」

 

攻撃のチャンスが二回しかない上に、一点負けた状態から始まり、

これまでとは一段上を行く能力を持った投手を打ち崩さなければならず、変化球の狙い打ちができなければ、勝負になりません。

 

 

正直なところ、私はそれまで、ほぼ直球狙いで強振を振るだけのプレイしかしていませんでした。

(バント戦法が有効な「3」は例外。)

ですが、試合BGMによってテンションが高まっている事と、「この先に行きたい!!」という気持ちによって奮起した私は、

ここに至って初めて、”相手投手の一番得意な変化球に狙いを付けて、それを打つ”という戦法を身に付けるに至ったのです。

 

その時の、脳内で変革が起きた感じと言うのか、

それまでとは感覚が一新されたような体験というのも、後にも先にも味わった事のないものでした。

 

 

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そして、ブラッドバタフライよりも正直数段弱い「ブリティッシュピンキーズ」をくだした先の

勝戦にて対決するのは、最強の軍団「USスーパーヒーローズ」。

 

今までのシリーズの最終戦では、二点負けている状態から始まるのが常だったのが、今回は三点負けており、

相手投手の先発「スーパー」と、最も登場確率の高い抑えの「ホーク」は球速160km超え。

 

加えて野手陣の打撃能力も非常に高く、歴代でも最高難易度を誇る試合となっています。

 

 

私は最初、このチームと戦った時、あまりの強さに「絶対勝てないようになってる試合なのか?」と、有り得ない事を思ってしまったくらいです。

 

それでも、諦めずにプレイを繰り返し、「スーパー」は直球が多く、「ホーク」は変化球が多い事。

相手は盗塁が多いので、ランナーが出たら”ウエスト”(外角高めに速球のボール球を投げて、盗塁阻止に専念する事)が有効、などの突破口を掴み始めます。

 

そうして、初めて勝利できたのは、発売から二週間ほどが経った頃だったと思います。

あまりの出来事に、飛び跳ねて喜びましたよ、その時は。

 

 

この、一連の裏野球大会、とりわけ最後の三戦は、

”トライ&エラーで攻略していく感覚”と、見事勝利できた際の”達成感”の要素によって、純粋に野球を題材にしたアクションゲームとして成立しており、私の好みに合致していました。

 

その為、何度も繰り返しプレイしては、己の腕前の上達を楽しんだものです。

いやぁ~~~、熱かったなぁ、あの頃は。

 

 

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一方、裏サクセスの方は、他のシリーズのような番外編的な設定ではなく、

表サクセスの野球勝負で負けた主人公が、上述の野球チーム「ブラッドバタフライ」を構える「しあわせ島」という場所に送られ、

そこでの過酷な100日間を生き抜くストーリーとなっており、世界観が共有されています。

 

シリーズ中で唯一、こちらでも野球の試合を行うという点で、

他作品とは一線を画していますね。

 

 

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過去作からのキャラクターとして、元モグラーズの「倉刈」「小杉」も登場するなど、

こちらも表サクセス同様、ファンサービスが満点です。

(過去作と比べて、明らかに顔がゲッソリとした倉刈さんを見て「大丈夫か、この人・・・」と思ったものです。)

 

彼らと共に、過酷な強制労働環境のもと、ブラッドバタフライ(一軍)との試合を繰り広げつつ、

能力経験値とペラ(この島での通貨)を稼いで選手を鍛えつつ、島の脱出を目指します。

 

 

設定上では、かなり過酷な環境の島ではあるのですが、

難易度的には「3」のサクセスや「4」の裏サクセス等と比べて格段に死ににくく、

BGMが陽気で楽しげな事、全体的にテンポが良い事も相まって、表サクセスよりも、こちらの方を主にプレイしていた人も多いのではないでしょうか。

(強い選手を作る上でも、こちらの方がやや優勢かと思われます。)

 

 

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また、条件を満たすと、「プレイルーム」という施設でサイコロゲームに挑む事ができ、

このゲームの存在も、しあわせ島編を語る上で欠かせないものとなっています。

 

というのは、なんとこれ、目押しが可能なのです。

 

当時、わざわざサイコロのGIF画像(実際に動く画像)を用いた解説サイトがあり、

右下が出っ張った時に5の目が出るようになっていて、そこから0.05秒の周期で一つずつ上にズレている・・・といった仕組みだったかと思います。

 

 

購入当初、しばらくの間は、完全に運ゲーとしてプレイしていましたが、

ある時、その解説サイトを見て半信半疑で練習してみたところ、本当に自在に目が出せるようになって、特殊能力を大量に所持したパワー特化の野手を二人ほど作成しましたね。

 

 

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物語の最後には、「BB団(この島の敵組織)をブッ潰そう」という流れになり、

黒幕である「メカ亀田」、もしくは条件を満たした場合に登場する巨大怪獣「としおくん」のどちらかと最終決戦を繰り広げるという、

これぞパワポケと言わんばかりのメチャクチャな展開が待ち受けています。

 

対決は、どちらも専用のミニゲームにて行われるのですが、

特に「としおくん」との対決の方は、同社のがんばれゴエモンシリーズ」のアレを彷彿とさせるようなシロモノで、初めてこの展開に到達した時には

「おいおい、こんな事やっちゃうのかよ・・・!!」と、興奮しつつも、どこか笑いの感情も同時に込み上げたものです。

 

(おまけモードで遊べるミニゲームは、大半の作品が4つである中、本作は3つだけなのですが、

この気合の入った2つの最終対決ミニゲームが、専用で用意されていた事を考えると、致し方なかったのでしょう。)

 

 

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そんな感じで、シリーズで唯一、表・裏サクセス共に野球をするストーリーであり、

どちらかと言うと、お手軽に強選手を作成できる「しあわせ島編」の方が人気がある印象の本作。

 

ですが、私は発売当時から、「町工場社会人野球編」の方が好きで、ずっと推し続けていました。

 

育成期間が短く、強い選手ができないという意見をネット上でよく見かけますが、

それでも最短の「1」や「4」のサクセスよりは長いですし、育成バランスは緻密にしっかりと考えられているからです。

 

序盤~8月くらいまでは休息コマンドを一切使わず、定期イベントの選択肢やうろつきによってタフ度を一定値(50前後)まで上げられる事、

青野と智林のイベント(特にサブポジション取得後に再度同じポジションを選択する事で、守備を+1するイベント)を有効活用する事、

デート時の体力回復が多く、見返りも大きい「菊池ヒトミ」を彼女にする事などを絡めた育成を突き詰め、

私は最終的に、パワポケポイントによるアイテムの持ち込み無しでBBABB(走力はMAXの15)という能力の外野手を作り上げました。

 

 

私にとっての本作の表サクセスは、

”効率的に主人公や仲間をパワーアップさせて、終盤の裏野球大会を勝ち進み、最強のアメリカチームを倒すゲーム”という事で認知されており、

野球部分の完成度も申し分ない事から、実際にほぼそのように成立していると思っています。

(主人公が「しあわせ島」に送られるのが正史である以上、裏野球大会に挑んでいく流れは全て”IFストーリー”という事にはなるのですが、それはそれです。)

 

次回作の7・8・9が発売された後も、勿論それらも購入してプレイしてはいましたが、

私は引き続き「6」もプレイし続け、高校時代には教室で友人と一緒に”裏野球大会を勝ち抜くゲーム”として遊んで盛り上がった経験もあります。

例え、シリーズ中では人気の低めなサクセスだとしても、私にとってはかけがえのない思い出が詰まった、最高に面白いサクセスなのです。

 

 

好きの度合いでは、私が初めて触れたパワポケであるGBC版「2」のモグラーズ編の方が上ではありますが、

夢中になって育成方法を突き詰めるほどにハマって、作中での野球バトルに全身全霊で没頭したのは、こちらの町工場社会人野球編の方です。

 

裏野球大会の優勝賞品が、モザイクがかかった「よくわからないなにか」であり、

私は当時、クワガタ虫だと思っていたそれが、ネット上では”大人のオモチャ”だと言われていようとも、自分にとっての最高峰のサクセスであるという事実は揺るぎません。

 

願わくば、あの頃に戻って再びハマりたいと思える、

私のゲーム人生における、トップクラスに面白かった作品の一つです。