アドベンチャー・推理ゲームというジャンルにおいて、
その初期三部作を、一本にまとめて移植された作品、
「逆転裁判123 成歩堂セレクション」の感想&紹介記事となります!
さて、逆転裁判1~3について。
元々は、私がまだ小学六年生~中学生の頃に、”ゲームボーイアドバンス”にて展開された作品群で、
当時、1と2を兄が所持していた事で、その二作を中学時代にプレイした事が出会いとなりました。
”裁判”・”弁護士”を題材にしたゲームであるという斬新な点と、
主人公「成歩堂龍一」を始めとした、キャッチーなネーミング&個性付けのキャラ達、
そして独特なテキストなどが絶妙にマッチしており、その親しみやすい作風に魅了されたものです。
その後、かなりの年月が経って、大学卒業後に3もプレイしましたが、
それら三部作の移植となる本作が、今回セール価格1990円になっているのを発見して、一から再プレイしてみようと思ったわけです。
以下からは、それぞれの作品の特徴を簡潔に述べた上で、
私が好きな(または印象的な)シナリオ・シーン・キャラクター等を紹介していこうと思います。
(事件の核心に迫るネタバレは極力伏せていますが、どちらかと言うとプレイ済みの方向けかもしれません。
未プレイ且つ、プレイする予定のある方は、適度にネタバレを含んでいる事をご留意ください。)
■逆転裁判
記念すべき第一作。
主人公の「成歩堂」と、彼が弁護士になるきっかけとなった二人の友人「御剣」「矢張」による、男三人の友情劇が根底にあるストーリーが展開され、
1・2話目はチュートリルを兼ねた導入で、3話目からが本番、といった感じの構成です。
難易度は低めで取っつきやすく、当時は続編の予定がなかったらしい事もあって、
これ一本だけでも、話は綺麗にまとまっています。
・第3話「逆転のトノサマン」
この世界における子供達の大人気実写ヒーロー、”トノサマン”の中の人である「荷星三郎」が、
敵役”アクダイカーン”の中の人「衣袋武志」殺害の容疑をかけられてしまった事から始まるシナリオ。
一日目の法廷では、なんとかして荷星さんの有罪確定を引き延ばすべく、
撮影所の警備員である「オバチャン」を容疑者に加えてしまうのですが、まずここが相当面白い。
どう見たって、このオバチャンが犯人なわけはないのに、
この時点では他に犯行が可能である人物が出てきていない為、苦肉の策として、オバチャンに容疑の目を向けてしまうのです。
そうして審理の余地を残した事で、事件は新たな展開を見せていく事になるのですが、
この”オバチャンに濡れ衣を着せて、被告人の命を繋ぐ”という場面こそが、
「逆転裁判」シリーズが盛り上がりを見せていく、最初のシーンにあたるんじゃないかなと個人的には思っています。
その後、事件を目撃したという、トノサマンの大ファンな少年「キュータ」くんが現れ、証人として法廷に立つ事となるのですが、
彼はある事情から嘘の証言をしてしまい、指摘された後は号泣しながら証言を訂正するのです。
その理由が、子供特有の非常に独特なもので、「それはしょうがない」と思ってしまうのですよ。
自分にとっての絶対的なヒーローを信じる熱い気持ち、私にも身に覚えがありますからね。
非常に共感できるキャラクターとして、
私の中では、彼の存在自体が、この作品の評価を高めている一因でもあります。
(他には、成歩堂とヒロインの「真宵」ちゃんが、ある危機に直面した際、
刑事の「イトノコ」が颯爽と飛び込んで来てくれるシーンも好きですね。)
・第4話「逆転、そしてサヨナラ」
成歩堂が弁護士を目指す事となったきっかけを与えた張本人にして、
ライバル検事兼親友の「御剣」を救うべく奮闘する、移植前における本作の最終話。
この話にて敵役を務める、40年間無敗の伝説の検事「狩魔豪」の存在が、まず圧巻。
大半の”揺さぶり”に対して「異議あり」をしてくる上に、終盤にて成歩堂が決定的な証拠を手にした際には、違法な手段でそれを奪うという非道な一面も見せるので、
まさに王道といった感じのラスボス感、そして悪役感をその身に纏っています。
このシナリオの後半には、成歩堂が本作の第1話からたびたび発していた、
「御剣と矢張の二人だけは、何があっても信じ抜くつもりだ」という旨のセリフの、その理由となった出来事がようやく明かされる事になるのですが、何度見ても目頭が熱くなります。
成歩堂にとっては、自分の人生を決定づけるほどの出来事であったにも関わらず、
当の御剣と矢張は「そんな事もあったな」と、ほとんど覚えていなかったというのも良いですね。
この回想シーンこそが、逆転裁判1を象徴する一番の名シーンでしょう。
それと、もう一つ忘れてはならないのが、最終局面にて
「狩魔検事の肩には”弾丸”が残っているハズ」という事を証明する際に使う”証拠品”。
初見における、「ここでアレを使うのか・・・!!」という感じの、
あの大きな衝撃と謎の感動がたまりませんでした。最高です。
続く二作は、最終話の最後の方にどういう証拠品を使ったかというのは、個人的にあまり印象に残っていないのですが、
初代のこの場面で提示した証拠品だけは、いつまで経っても忘れません。
上記の回想シーンと並ぶ、逆転裁判1をプレイする上での醍醐味となる場面ですね。
・第5話「蘇る逆転」
DSソフトへの移植の際に追加された新シナリオ。
ヒロインの真宵ちゃんが霊媒師の修業の為に里へと帰り、事務所に一人となった成歩堂のもとへ、カガク捜査官を自称する「宝月茜」が現れて、検察局にまつわる事件を依頼される事から始まります。
当時、GBA版の3が発売された後に新しく書き起こされたシナリオという事で、登場する証拠品は一気に30個を越え、話のボリュームも非常に長大ですが、
この話に関しては完全に未プレイだったので、最後まで新鮮な気持ちでプレイする事ができました。
DSというプラットフォームで発売された事を活かして、証拠品を360度の視点から眺められたり、現場から指紋を検出したりする事ができるのも、大きな特徴です。
後は、真宵ちゃんに代わってヒロインを務める茜ちゃんが非常にカワイイですね。
特に、↑の画像みたいに手帳に何かをメモる時の仕草がGOODです。
このシナリオは、刑事課のマスコットキャラクター”タイホくん”の存在を絡めて構成されており、
有り得ない場面で「タイホくんを目撃した」という証人の発言に対して、”それは別の証拠品と見間違えたのだ”という事を立証する場面があり、実際に見た角度まで提示する必要があります。
その判定がかなりシビアで、数回試しても正解にならなかった為、
やむをえず、ここだけ攻略サイトを見てしまいましたね。
示す方向としては合っていたのですが、マス目に沿ってきっちりと合わせなければ正解にならなかったので、無意味にシビアだったのは惜しい点ですね。
(こことは別に、踊る”タイホくんパネル”が緊張感を削ぐ中、監視カメラに映った映像を頼りに尋問をしていく場面は、妙な面白さがあって好きだったんですけどね。)
終盤には、”この証拠品を提出すると、逆に被告人の有罪が確定してしまう”としか思えないような証拠品の提示を迫られる場面があり、
「えぇ~~~、どうするよ・・・」という心境に陥りましたね。
しかし、そこからあれよあれよとひっくり返し、完全無罪の立証へと持っていく流れは、
月並みな表現ではありますが、まさに「”逆転裁判”だった」と言うにふさわしい展開でした。
(↑の画像の選択では、私は状況を熟考した末に正解を選ぶ事ができましたが、
後から調べてみたところ、間違えると”バッドエンド”が用意されていたみたいです。)
急遽作られる事になった続編(らしいです)。
証拠品探しを行う”探偵パート”にて、隠し事をしている人の”心の錠”を攻略する「サイコ・ロック」という新要素が実装された点が大きな特徴でありつつ、
証拠品の他に人物ファイルのつきつけも可能になった事、全編通して選択を誤った際のペナルティが大きい箇所がやたら多い事などもあって、難易度が格段に上昇しています。
GBA版をプレイした当時も、体力ゲージ(?)が瀕死の状態で頻繁にセーブをしながら進めていた記憶がありますが、
今回再プレイしてみても、「こんなの、あらかじめ話がわかってないと当てられっこないじゃん!」と思うような選択肢やつきつけポイントが複数あった気がします。(特に2話目と3話目。)
対戦相手となる検事役は、大部分を前作のラスボス「狩魔豪」の娘である「狩魔冥」が担当。
アメリカで若くして検事になって以来無敗の、高飛車お嬢様なキャラで、
前作で予想外に人気が出過ぎてしまった御剣に代わって打ち負かす相手として作られたキャラクターという事らしいです。
何かにつけて、成歩堂や証人、裁判長までもを鞭でビシバシ叩くという個性付けがなされており、
そのせいで、ただでさえ難易度が高く、シリアスかつ重苦しい雰囲気が漂っている本作を、余計に尖った印象にしてしまっているような気がしますね。
(決して、嫌いなキャラクターというわけではないのですが。)
・第1話「失われた逆転」
さて、逆転裁判2を象徴するシーンの一つとしては、
やはり、この”恐ろしい悪夢”から始まる導入部分が挙げられるでしょう。
これはインパクト大ですよねぇ。何故にここまでホラー調なのか。
やっぱり、「逆転裁判2=シリアス強め、ちょっとホラー」という方針でもあったのでしょうか。
とにもかくにも、非常に印象に残る導入です。
第1話の法廷パート自体については・・・、
そうですね、「バナナ」が印象深いですね。(バナナだけかい!)
・第3話「逆転サーカス」
流行りのサーカス一座”タチミサーカス”の団長が殺害され、
予想外な流れを経て、事件の真犯人を突き止めていくシナリオ。
色々な面で異色さが際立つシナリオなのですが、
その最たる要因は、三部作のシナリオ群で唯一”登場人物が全員善人”である事だと思っています。
プライドの高い世界的マジシャン「ゴー☆ジャス」「マックス」、
ひょうきんな役作りとは裏腹に、根は努力家かつ常識人なピエロ「トミー」、
操る人形が完全に人格を持っているかのように徹する腹話術師「ベン」、
シリーズ中でも屈指の良い人感を誇るアクロバット芸人「アクロ」、
サーカスで生まれ育ち、夢の世界がそのまま現実な「ミリカ」、
・・・と、非常に個性派揃いの登場人物が揃っており、
苦手な人もいるかもしれませんが、私は全員ひっくるめて大好きですね。
このキャラクター達が醸し出す、このシナリオの雰囲気自体が好きです。
後半の法廷では、成歩堂の「この際、弁護側はアクロ氏を告発します!」という突飛なセリフによって、
下半身不随の為に、通常では犯行は不可能だと考えられるアクロさんを真犯人に指名し、追い詰めていく事になります。
そこからの一連の展開は、まさに”つなわたりの裁判”。
(作中のセリフでも、同じような表現があったと思います。)
最後の最後、決定的な証拠品の在り処を指摘する場面に至るまで、
ほぼ全てを憶測だけで繋げていき、それでいて真実がしっかりと明らかになる流れは、実に見事。
「空を飛んで逃げた」という証言の真相における”なんじゃそりゃ感”を差し引いても、
有無を言わせぬ話の勢いと、キャラの魅力に溢れた、シリーズを代表する名シナリオの一つだと思います。
・第4話「さらば逆転」
トノサマン新シリーズの主役”トノサマン・丙”の中の人である「王都楼真悟」が、
それに対抗して作られたキャラクター(番組)”忍者ナンジャ”の中の人、「藤見野イサオ」殺害の容疑をかけられてしまった事から始まるシナリオ。
2の最終話となる、このシナリオでは、
なんと初っ端から真宵ちゃんが何者かに誘拐されます。
その為、最初から最後まで緊迫感が凄い。
前作の最後は、主人公の友人を救う物語でしたが、
今回はその友人とも協力しながら、捕われのヒロインを救う物語が展開されるのです。
これぞ王道ですよ、王道。
また、この事件に深く関わる、王都楼のマネージャー「華宮霧緒」は、
”一見完全無欠なクールビューティーに見えるものの、実は依存体質で脆い”という設定で、私の好きな逆転裁判キャラの一人です。
このシナリオの見所は非常に多いと思われますが、いくつかを抜粋しますと、
まずは一日目の法廷終了時の、成歩堂の絶望シーン。
誘拐犯から、一日目の法廷で無罪を勝ち取る事を要求されていたにも関わらず、それを成し遂げる事ができなかったわけですから、
GBA版をプレイした中学時代には、その無念さや絶望感が胸に迫ってくる感じがしましたね。
(結局、誘拐犯は割と人情味のある人だったので、以降の法廷まで待ってもらえる事になるのですが。)
次に、被告人「オートロ」の、”サイコ・ロック”解除後の豹変シーン。
これに関しては、もはや説明不要でしょう。
見た瞬間、誰もが「うわぁっ!!」となった事と思います。(語彙力)
逆転裁判2における印象的なシーンと言えば、何を差し置いても、ここが一番です。
(ちなみに、彼のキャラクター性や立ち位置自体も、専用BGMも含めて私は結構好きだったりします。)
そして最終盤ともなると、ほぼ全てが見所と言っても過言ではありませんが、
特に↑の画像の場面は、私が今回再プレイした際に、素で「えっ?」と声が出たシーンです。
既にプレイ済みとは言え、細かいところは結構忘れていたものですから、
この「逆転裁判2」という作品は、最終話での怒涛の追い上げというか、
一気に盛り上げてくる”シナリオの底力”が凄かったなと、再プレイして実感しました。
ゲームの最後に表示される、真宵ちゃんが描いた絵も良かったですね。
成歩堂の師匠「綾里千尋」の過去も絡めた壮大なストーリーが描かれる、三部作のトリを飾る作品。
新規BGMはいずれも”総決算”・”集大成”といった雰囲気が漂っている事に加えて、どのシナリオも恋愛絡みの作風となっており、
全体を通して、前二作とは一味違ったプレイ感覚があります。
難易度は2よりも抑えられ、1よりは歯ごたえがあるといった感じで、バランス的にも洗練されており、
登場する新キャラ達の個性や存在感も、より一層パワーアップしていると感じられます。
「逆転裁判」とは、これら三部作をひとまとまりとして指し示し、
本作にて、一応の完結を見せているシリーズと言って差し支えないでしょう。
プレイ後には、並々ならぬ充足感をもたらしてくれる、稀有な作品です。
・第1話「思い出の逆転」
今作も、前作に負けず劣らず、むしろそれ以上に導入が秀逸です。
なんと、第1話にて操作するのは、若かりし頃の千尋さん。
そして弁護する人物は、同じく若かりし頃の成歩堂なのです。
これはもう、1話目からしてズバーーーン!!と引き込まれるってものですよ。
前二作における第1話は、ゲームのチュートリアルという側面が強かったのですが、今作では初っ端から話を動かしてきます。
GBA版の発売当時、ネットの公式サイトで体験版として冒頭部分を少しだけプレイできたのですが、何度も繰り返し遊んでいた記憶があります。
(千尋さんが机を「ドシン!」と叩く際の両手の振り上げ方が、成歩堂のそれと比べて大きめなのがカワイイです。)
このシナリオでは、本作における最重要キャラクターの一人である「美柳ちなみ」が登場。
色々な意味で、圧倒的な存在感を誇ります。
おそらく、人気度的には賛否ある役割のキャラだと思うのですが、私は好きですね。
この娘の存在なくして、逆転裁判3の物語は成り立ちませんから。
・第2話「盗まれた逆転」
真宵の生まれ育った”倉院の里”の秘宝展を開く事になるも、展示する予定だった品物の一つ「倉院のツボ」が盗まれた事から始まるシナリオ。
(前半部分に限っては、殺人ではなく窃盗についての弁護を担当するという、極めて珍しい物語構成となっています。)
このシナリオでは、ちなみと並ぶ最重要キャラクターにして、
今作の敵役を務める「ゴドー検事」が初登場。
本作のキャラクターの個性と存在感が強いと感じられる理由の大半は、
彼の存在によるところが大きいと言えます。
なんというか、物語上での役割的には、間違いなくシリアス担当のキャラなのに、
裁判中やたらとコーヒーを飲みまくったり吹き出したり、常にキザな言い回しをするという言動が笑いを誘う為、ギャグキャラとしての役割も果たしているという、
絶妙なバランス感覚によって成り立っているキャラクター性なんですよね。
見た目はイロモノそのもので、その言動には時々クスリとしてしまうものの、本人は至って真面目。
カッコ良さと面白さが高いレベルで両立していながら、紙一重でカッコ良さが上回っており、最後にはその生き様に惚れ惚れとさせられる。
そんな感じの、とてつもない魅力を持ったキャラクターです。
また、前作の最終話にて関わった人物、華宮霧緒も再登場。
新たな人生を歩み始めた事もあって、前作とは打って変わって気さくに微笑むようになっており、”ドジっ子属性”が付いた性格に変わっていますが、これはこれで好きですよ。
(多少ネタバレ的な話をすると、「倉院のツボ」に重大な影響を与える事になった点も、なんだか嬉しいポイントです。)
・第3話「逆転のレシピ」
成歩堂のニセモノが現れ、雑な弁護で被告人を有罪にしたと聞かされる事から始まり、フレンチレストラン「吐麗美庵(とれびあん)」で起こった事件の真相を突き止めていくシナリオ。
このシナリオは、とにかく登場人物達のメンツがゴツイ。
色々な面で問題が多い、筋骨隆々でオネエな店長「本土坊薫」、
典型的なガンコ親父だが、実はウェイトレス好きな「五十嵐将兵」、
何故か全身真っ赤っかで迫力抜群、恐怖の借金取り「芝九蔵虎ノ助」と、
三部作の中でも(見た目の面で)やたらと男くさい三名が、このシナリオに集中しています。
真宵ちゃんや千尋さんのウェイトレス姿が見られるなど、華やかな部分もあるものの、
上記三名の暑苦しさの方が余裕で上回っています。
特に「芝九蔵」の迫力は尋常ではなく、ゲームのキャラクターにも関わらず、彼が画面に映っている間は、妙な緊張感を覚えてしまうほどです。
(それ故、激烈に印象に残る為、どちらかと言えば好きな部類のキャラではあるのですが。)
シナリオの後半では、その「シバクゾー」が証人として法廷に現れるのですが、あまりの恐さに成歩堂・真宵ちゃん・裁判長らがビビリまくる中、
ただ一人ゴドー検事だけがまったく動じず、彼の専用BGMと共に↑の画像のセリフを発する場面は、本作を代表する名シーンの一つと言えるでしょう。
直後の成歩堂の独白に、誰もが共感した事と思います。
(また、このシーンに隠れがちではありますが、
1の第3話と同様に、イトノコ刑事がピンチを救ってくれる場面があるのもGOODです。)
・第5話「華麗なる逆転」
千尋の更なる過去編にして、法廷パートだけで構成された第4話を経て開始する、本作の最終話。
このシナリオは、もう・・・
ただひたすら、ロマンチックですよね。
”ふとしたきっかけで目にした雑誌に、本来そこにいるはずのない、ずっと忘れられない女性の姿を発見する”、といった導入から始まる、
成歩堂の数年がかりの恋物語に、ようやく一つの結末を与えるシナリオとなっています。
(行方不明であった真宵の母親についてや、それに関わる人物の確執、千尋にとっての未解決の因縁などにも全ての決着を付ける物語構成となっていますが、メインはやはり成歩堂の恋物語であると私は解釈しています。)
1では、昔からの親友を救うという王道、
2では、捕われのヒロインを救うという王道が展開されましたが、
今回の3は、男女間の恋愛における王道が展開されるというわけですね。
このシナリオでは、ある事情から、成歩堂がしばらく行動不能になる事もあって、
御剣・矢張・狩魔冥らも集結して、全員の力で事件を真相解明へと導いていきます。
まさに、初代から始まった一連の物語の、
その最後を飾るにふさわしい出来栄えの物語構成となっています。
あえて、あまり多くは語りません。
ひたすらに壮大で美しい結末へと向かって、プレイヤーをグイグイ突き動かしていきます。
↑の二枚の画像は、このシナリオの中でも、私が特に奮えた場面のものです。
(同じ場面ではなく、それぞれ異なるシーンです。)
千尋にとっての因縁に決着を付けた後、事件の真犯人を突き止めるべく、
物語の最終局面へと移行していく流れは、プレイヤーの心を最後まで掴んで離しません。
そして全ては、成歩堂のこのセリフへと帰結するのです。
数年前にGBA版をプレイした際、攻略サイトを見ながらサラサラッと流す感じでプレイしてしまった事もあって、1と2に比べて忘れている部分が多かったのですが、
このセリフだけは、とてもハッキリと覚えていました。
「あなたは、やっぱり・・・・
ぼくの思ったとおりのひとでした。」
・・・いやぁ、最高でしょうよ。
それ以外に、語る言葉はありません。
初めてプレイした時も、再プレイした今回においても、
このセリフに辿り着いた際には、胸が熱くなってやみませんでした。
・・・とまぁ、そんな感じで、
私なりに、長年に渡って愛され続けている「逆転裁判123」の魅力と、
個人的に好きなシーンやキャラクターについての紹介をさせて頂きました。
正直なところ、GBA版が発売された当時は、
まさか20年近くに渡って、移植や続編が出続けるシリーズになるとは思ってもみなかったのですが、
今回再プレイしてみて、やはりそれだけのパワーとキャッチーさを持った作品だよなぁ、と実感するに至りました。
プレイ済みの方には、共感して頂ける部分がいくつかあったならば幸いですし、
もし未プレイの方で、この記事を見てプレイしてみようと思った方がいらっしゃったのならば、
是非とも、お手に取ってみて頂きたいと思います。